大腸 憩室 炎 原因。 大腸憩室炎の症状に注意!原因や検査方法、治療方法を知っておこう!

大腸憩室炎の原因・診断・治療法【医師が解説】 [胃腸の病気] All About

大腸 憩室 炎 原因

腹痛で病院を受診して、「原因は憩室炎が疑われます」といわれてもピンと来ないのではないでしょうか? 「憩室炎」は、誰にでも起こる病気ではありませんが、 食事の欧米化に伴いその頻度が増加しています。 さらに社会全体の高齢化が進んだことも憩室ができる人が増える原因になっています。 そのため、腹痛で病院を受診された際には、必ず否定をする必要がある病気です。 しかし、ときに原因が特定できず、いくつかの検査をした後でようやく診断されることもあります。 実は、 私自身、憩室炎での入院歴があり、その後も付き合っています。 つまり、 憩室炎については医師・患者さんの両面で経験しているのです。 ですから患者さんのお気持ちもよくわかります。 今回の記事では、総合内科専門医および患者としての体験から、この大腸憩室炎についてご紹介します。 私の予防策もご紹介していますので、参考になれば幸いです。 1.大腸憩室炎とは? 大腸憩室炎。 腸に憩室ができ炎症が発生する病気です。 左側に起こることが多いです 内臓壁の弱いところにできるポケットまたは袋を憩室(けいしつ)と言います。 たまたま、この 小さな袋が大腸の壁にできると大腸憩室と呼ばれます。 内視鏡でみるとくぼみのようになっています。 多くはS状結腸や左側結腸にできますが、大腸のあらゆる部位にできる可能性があります。 憩室炎とは憩室が炎症を起こしたり、穿孔(腸管に穴があくこと)が起こった状態のことをいいます。 初めて「憩室炎」という病名を聞くと不安になりますが、 少なくとも命にかかわることは殆どありません。 しかし、一度できた憩室自体が無くなることはないので、憩室炎にならないように注意をしながら生活をすることが必要になります。 2.原因と疫学 大腸内にできた憩室(イメージ) 大腸憩室は、誰もが持っているものではありません。 2-1.原因 大腸憩室のでき方は先天性と後天性に分かれ、 ほとんどが後天性です。 後天的にできる原因は、 繊維の少ない食事を長年摂取しつづけることと言われています。 大腸の中の圧力が上がり、大腸を栄養する血管が壁の中に入る部分に力が加わり、あたかも風船が膨らむかのように内側から外側に向かって袋ができてしまうためです。 2-2.頻度 大腸憩室は年齢とともに増加する傾向があり、 日本人では60歳以上の20%ぐらいに存在し、アメリカ人では60歳以下の50%が有するといわれていますが、最近は若い方の憩室も増えてきています。 従来、日本人では大腸の右側に多く、欧米人では大腸の左側に多いとされてきましたが 、食生活の欧米化により、日本人にも左側の大腸にできる方が増え、高齢の方では左右両側にできる方が増加しています。 基本的には自覚症状なく経過し、大腸の検査とし て注腸(バリウムを肛門から入れる検査)や内視鏡を行った際に偶然見つかるということが多いです。 実は私自身、憩室の存在を知らず、憩室炎になって初めてその存在に気が付きました。 3.症状 憩室炎の症状および私の患者としての体験をご紹介します。 3-1.症状 主な症状としては、 腹痛(多くは左下腹)、下痢、排便習慣の変化などがあげられます。 まれに多量の出血が起こることもあります。 憩室の炎症がひどくなると 激しい腹痛、悪寒、発熱といった症状が起こります。 3-2.私の場合 私の場合、長年憩室があることを知りませんでした。 あとで振り返ると、時々便秘がちになり、腹痛がありました。 腹痛といっても我慢できる程度で、自然に軽快していました。 しかし、憩室炎がひどくなった時は、耐えられないほどの腹痛になり、38度程度の発熱、便も殆ど出なくなりました。 結果、緊急入院となり、絶食・抗生剤治療をしてもらうことで2〜3日で改善しました。 (ちなみに、入院3日目に講演が入っており、絶食のまま点滴だけ外して90分の講演をしたものです) 3-3.鑑別疾患 患者さんに憩室があると分かっているケースでは、症状から憩室炎が診断されることがあります。 しかし、大腸や腹腔および骨盤内の他の臓器の異常で、憩室炎と似た症状を引き起こすものが多数あり、 虫垂炎、結腸がん、卵巣がん、膿瘍、子宮壁の良性腫瘍(子宮筋腫)などとの鑑別が必要です。 現在、 癌の死亡原因で男女とも大腸がんが上位を占めています。 50歳を超えたら、2年に1回の大腸ファイバー検査がお勧めです。 この検査を行えば、もちろん大腸憩室の有無も分かります。 4.重篤化する合併症に注意 私自身も長年腹痛を放置していました。 時に、合併症も起こり得るので注意が必要です。 4-1.腹膜炎 憩室炎がひどくなり、適切な治療をしないと、憩室に穴があき腹膜炎や結腸周囲炎を起こします。 S状結腸に憩室がある場合では特に穴があきやすく、血圧が下がり重症化しやすくなります。 私もS状結腸で起きているパターンですので注意が必要です。 大腸とその周辺の図 4-2.瘻(ろう:異常な通路) 腸の炎症により、大腸と他の臓器との間に、瘻が形成されることがあります。 瘻は通常、大腸の憩室が膀胱などの他の臓器に接触し、かつ憩室が破裂した場合に形成されます。 その結果大腸に含まれる細菌によって炎症が起こり、隣接する組織にゆっくりと穴があき、瘻が形成されます。 ほとんどの瘻は、S状結腸と膀胱との間に形成されます。 5.治療法 治療については、症状のレベルにより3つの段階があります。 5-1.症状が殆どない場合 症状が軽度であれば、食事療法を行います。 この方法で疼痛をコントロールし、正しい排便習慣に戻します。 繊維の多い食事(穀類、マメ類、野菜類など)の摂取量を増やし、繊維の少ない食物の摂取を控えることで腸管の圧が下がり、症状が起こりにくくなります。 5-2.憩室炎が起こった場合 腹痛が強くなったり、発熱が出たり、便が出にくくなった場合は、憩室炎が起こっていると判断し、さらに強力な治療が必要となります。 絶食までは必要がないと判断すれば、 外来で抗生物質を処方し、食事を制限することで治療を行います。 場合によっては 緩下剤を使用することもあります。 私の場合は、おかしいと思ったら抗生剤を4日ほど服薬することで、症状は改善します。 憩室の存在が明らかで、自分自身で症状が自覚できる方は、 主治医にお願いして抗生剤を予防的に処方してもらうこともお勧めです。 なお、 絶食が必要な重症例では入院を要し、禁食として補液と抗生物質の点滴を行います。 ほとんどの憩室炎はこれらの方法で対処可能です。 5-3.手術が必要な場合 症状を繰り返す場合、合併症が起こった場合、薬物治療に反応しない重症例などが手術の適応となります。 手術では、腸の一部(左側結腸またはS状結腸に多い)を切除し、腸管をつなぎ合わせて再建します。 手術を行えば完全に治すことができますが、腸の機能が正常に戻るまで通常1~3週を要します。 6.予防方法 憩室炎は予防が大事です。 6-1.食物繊維を摂ろう たっぷりの食物繊維の摂取は、くぼみ形成の予防に役立つといわれています。 食物繊維には水溶性と不溶性のものがありますが、どちらのタイプでも役立ちます。 但し、私の場合は、 「ごぼう天てんぷら」を食べすぎた時に、憩室炎が発症してしまいました。 食物繊維も過剰だとかえって、憩室炎を誘発することもあります。 自分自身で、身体と相談しながら、植物性繊維の種類や量を調整することをお勧めします。 食物繊維の多い食事を〝ほどほどに〟心がけましょう 6-2.暴飲暴食をしない これも私の経験です。 食べ過ぎると、大腸に負担をかけてしまい、憩室炎を誘発してしまいます。 やはり憩室炎だけでなく、健康一般に「腹八分目」が大事なようです。 6-3.運動習慣 運動との因果関係がはっきりしていない部分もあるようですが、憩室炎の予防に有効だといわれています。 運動をすることで、腸の動きを活発にしたり、腸内の圧力を減らす働きがあります。 個人的には、歩行の効果を感じています。 運動により大腸の動きが刺激され、残渣物も排泄されます。 私は、ほとんど毎日外来前にトレッドミルの機械で30分ほど歩いています。 そうすると、朝食後の排便だけではでなかった物が、排泄されることを実感します。 6-4.水分を多く摂る 水分の摂取も大事です。 食物繊維は水を吸収することで便の量を増やし、軟らかくする働きがあります。 食物繊維をせっかく沢山とっても、水分が不足していると逆に便秘になることもあるので注意が必要です。 6-5.トイレのタイミングを逸しない トイレのタイミングを逃してしまうと、便の軟らかさが失われてしまうこともあり、排便時に余計な圧力がかかる原因となります。 普段から気をつけることは、動物性タンパクや脂肪を減らし、繊維質の多い食事を心がけ、便秘をしないよう、場合により下剤を飲むことも大切です。 7.最も効果的なことは、交感神経の安定 憩室炎の予防で、私自身が最も効果的と思うことは、交感神経の安定です。 7-1.交感神経の過剰興奮が炎症を誘発する 人間の体は、交感神経と副交感神経のバランスで成りなっています。 交感神経が過剰に働くと、白血球の顆粒球が過剰に働き、身体が炎症を起こしやすくなります。 皆さんも、生活が不規則になって、吹き出物やおできができることはありませんか? 逆に、 副交感神経が優位になると、リンパ球の働きが過剰になり、アレルギー反応が起きやすくなります。 つまり、交感神経と副交感神経はどちらかが優位になることなくバランスを取ることが重要です。 7-2.憩室炎の原因「細菌感染」を起こさないために 大腸憩室炎はまさに細菌感染であるため、仕事が忙しく、交感神経が過剰に興奮した状態になると、左の下腹部がシクシクと信号を送ってくれます。 その時は、ゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ち着かせます。 そして、やらなければいけない仕事の優先順位をつけ、すべてを完璧に取り組まないようにします。 そうすると、身体も楽になりますし、抗生剤を飲まなくても憩室の炎症はおさまることがあるようです。 8.まとめ• 食事の欧米化、高齢化により大腸憩室を持つ人が増えています。 定期健診等で、大腸の検査をして、憩室炎の有無を知っておくことは大事です。 憩室を持っている方は、生活習慣を見直すことで、憩室炎の発症をコントロールすることができます。

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大腸 憩室 炎 原因

大腸壁に5~10㎜の袋状のへこみ(憩室=けいしつ)ができた状態です。 通常は1㎝程度のものがほとんどですが、大きなものでは開口部が2㎝を超えることもあります。 通常は無症状ですが、憩室部の血管が破けて出血する大腸憩室出血や、憩室内に細菌が感染して起こる大腸憩室炎といった急性疾患の合併につながることがあります。 発生部位によって左側型、右側型、両側型に分類されます。 日本では右側型、S状結腸に起こりやすいといわれていますが、加齢に伴い左側結腸に憩室ができる割合が増加し、さらに近年では高齢者で両側に形成されるケースが増加しています。 大腸憩室症 大腸憩室の形成部位 <症状> 多くの場合は無症状で、大腸内視鏡検査時などに偶然発見されることがほとんどです。 大腸憩室出血を合併する場合は痛みを伴わない血便を呈し、大腸憩室炎を合併する場合は腹痛および憩室部位に限局した圧痛、発熱、吐き気、嘔吐、、腫瘤(しゅりゅう)形成などの症状が現れます。 してを起こすとやのおそれがあるため、緊急処置を要します。 <原因> 憩室は先天性または後天性の原因で腸管内圧が上昇することで形成されます。 後天性の主な原因に、食物繊維の摂取量の不足があげられています。 合併症である大腸憩室出血は、憩室内の血管が脆くなり破綻することで起こります。 大腸憩室炎は腸管内圧の上昇によって腸粘膜が破綻し、細菌感染を起こすことで発症します。 <検査> 1. 合併症を伴わない憩室 合併症を伴わない憩室は腹部CT検査および直腸造影検査で憩室の様子が確認できます。 腹部CT検査: 腸管から外側に突出する2㎜~2㎝程度の嚢状の構造物がみられます。 その内部には空気、便の塊、造影剤がみられます。 注腸造影検査: 腸管から嚢状の突出像がみられます。 大腸憩室出血 血便が主な症状の患者さんでは問診や身体所見などを基に、緊急の処置が必要かどうか判断されます。 処置が必要な場合、出血している部位を調べるために腹部CT検査や大腸内視鏡検査が行われます。 内視鏡検査でも出血部位が確認できない場合は出血シンチグラフィーという検査が行われることがあります。 問診: 出血に伴って起こった症状(腹痛、下痢、潜血便)の有無、出血をもたらしやすいNSAIDs(=非ステロイド性抗炎症剤)を含むアスピリンや抗血小板薬の使用歴を確認します。 腹部造影CT検査: 血液中に注入した造影剤が漏出する箇所を観察し、出血部位を確認します。 大腸内視鏡検査: 出血部位および出血の様子を確認し、可能であればそのままクリップなどで止血します。 大腸憩室炎 急性の腹痛および発熱を伴う患者さんでは、炎症の強さを問診や血液検査で調べます。 また、緊急処置が必要かどうかを調べるために腹部超音波検査や腹部CT検査、注腸造影検査で・の有無などを調べます。 炎症が治まった後、炎症の原因が大腸がんなどの疾患であるかどうかを調べるために大腸内視鏡検査が行われます。 血液検査: 憩室炎である場合、CRP陽性などの炎症反応が認められます。 腹部超音波検査: 肥厚した腸管、憩室周囲の炎症がみられます。 腹部CT検査: 大腸壁に突出する憩室および憩室周辺の炎症部位や・穿孔・・膿瘍の有無を確認します。 注腸造影検査: 造影剤を用いて憩室の位置や病変の範囲、膿瘍・狭窄・瘻孔の有無、腸管の交通性を確認します。 炎症が強くなると腸壁が硬く、のこぎりの歯のような陰影や毛羽立ち像などがみられ、個々の憩室の描出が不十分になります。 大腸内視鏡検査: 炎症が治まった後、大腸がんや虚血性大腸炎などの除外診断を目的に行われます。 <治療> 1. 合併症を伴わない憩室 合併症を伴わない憩室では、特に治療は行われません。 高食物繊維食を摂取することで便秘の解消を心がけます。 大腸憩室出血 多くはによって自然に止血するのを待ちます。 出血量が多かったり、出血が持続したりする場合は内視鏡的止血術が試みられます。 内視鏡的止血術が不向きまたは不成功の場合、動脈塞栓術が行われます。 内視鏡的止血術および動脈塞栓術が不成功の場合、大腸切除術が行われます。 保存的治療: 絶食を行い、腸管安静により、自然に止血するのを待ちます。 NSAIDsおよびアスピリンの服用は、大腸憩室出血および止血後の再出血のリスクになることが知られているので、それらの薬の服用は中止します。 内視鏡的止血術: 内視鏡を用いて止血クリップなどで出血点または憩室の開口部を塞ぐなどして止血します。 動脈塞栓術: カテーテルで金属のコイルなどを出血部位に送り、栓をして止血します。 大腸切除術: 開腹して出血源の憩室がある大腸を切除します。 大腸憩室炎 発熱や腹膜炎症状を伴わない憩室炎には抗菌薬の服用や流動食による保存的治療が行われます。 膿瘍を伴うものの腹膜炎が限局的な場合や、抗菌薬投与で改善しない場合、経皮的ドレナージが行われます。 経皮的ドレナージが不向きまたは不成功の場合、大腸切除術が行われます。 保存的治療: 急性期には、絶食、補液、抗菌薬の静脈投与などが行われます。 経皮的ドレナージ: 超音波ガイド下で、膿を排出させるためのドレーンを体内に入れます。 大腸切除術: 開腹して憩室炎の箇所を切除します。

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大腸憇室炎

大腸 憩室 炎 原因

下腹部の痛み、発熱、これが、盲腸の痛みかと思ったら、実は大腸憩室炎だった……こんなこともあります 憩室とは、腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状にとびだしたもの。 内視鏡でみると、くぼみのようになっています。 憩室の数はさまざまで、頻度は年齢とともに増加しますが、大腸検査を行うと10人に1人くらいの頻度で見つかります。 大腸憩室が複数存在する場合、「大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)」と呼びます。 大腸は右下腹部より始まり上行結腸、横行結腸、下行結腸と腹部外周を1回りし、S状結腸、直腸、肛門で終わります。 欧米の大腸憩室は、S状・下行結腸に多い左側大腸型で、多発例が多いといわれていますが、日本では上行結腸、盲腸に多い右側大腸型で、欧米に比べ多発例は少ないといわれていました。 しかし現在は、食事の欧米化、加齢とともに、左側型、多発型が増加する傾向にあります。 大腸憩室炎とは 大腸憩室の合併症として炎症が起きたものを、「大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)」といいます。 20~50歳では右側大腸の憩室炎が多く、高齢者ではS状結腸における憩室炎が多くなります。 大腸憩室症・大腸憩室炎の原因 大腸憩室症は以前は欧米人に多く、日本人にはあまりみられませんでしたが、最近は増加しています。 特に都市部の人に多く、食事の欧米化、とりわけ食物線維の摂取量の減少と密接な関係にあると考えられています。 日本人の場合、憩室は盲腸や上行結腸など、大腸の右側に多くできやすく、欧米人では大腸の左側に多いという傾向がありましたが、食事の欧米化や高齢化に伴い、日本でも大腸左側の憩室が増えています。 憩室には、腸壁そのものがとび出す「真性憩室」と、腸壁の筋層のすきまから腸粘膜がとび出す「仮性憩室」の2種類ありますが、大腸憩室症の場合にはほとんどが後者の仮性憩室。 腸管の内圧の上昇に伴い、大腸壁の筋肉層の弱い部分(たとえば血管など)が腸壁を貫き、筋層が弱くなっている部分から粘膜が脱出して憩室が生じると考えられています。 では、どうして大腸の内圧が上昇するのか。 ここに、食生活が関わってきます。 食生活の欧米化により肉食が増え、食物線維の摂取量が減少したため、便秘や腸管のれん縮が強くなり、結果として内圧が上昇すると考えられています。 もうひとつ、憩室が出来る原因として、加齢による腸管壁の脆弱化があげられます。 老化によって腸管の膜も弱くなるということですね。 大腸憩室症・大腸憩室炎の症状……強い腹痛・下痢・血便など 多くは無症状ですが、時に下痢、軟便、便秘などの便通異常、腹部膨満感、腹痛などの腸運動異常に基づく症状、つまり「過敏性腸症候群」に似た症状が起こります。 過敏性腸症候群については、「」や「」をご参照ください。 合併症として大腸憩室炎が発症すると、その部位に限局した強い腹痛が生じます。 また下痢、発熱、血便などを伴うこともあります。 憩室炎は、憩室内に便がたまって起こるとされていますが、進行すると腸に穴があく穿孔、穿孔性腹膜炎、狭窄による腸閉塞などを生じることがあります。 時に右側の上行結腸に起きた憩室炎の場合は、急性虫垂炎に似た症状のこともあり、実際、憩室炎と虫垂炎の判断がつかないまま、手術することもあります。 手術までいかないとしても、普段、クリニックで診療していると、腹痛の患者さんを見る機会も多いわけですが、時に熱が出て、ちょっとお腹を触ると、とても痛がり、脂汗をかいているような方に出会います。 で、痛みの場所が右下腹部であったりすれば、これは虫垂炎だろうと考えて、CTなどの検査が出来て、手術の設備が整った病院に紹介するわけです。 このようなときも、CT検査をしたところ、憩室炎と判明して手術をしないで、点滴、抗生剤投与で改善したということも、何度かありました。 これまで大腸内視鏡検査や注腸検査で大腸に憩室があるといわれた方は、上記のような症状を起こす可能性もあるので、腹痛や下血で病院を受診した際には、大腸憩室があると、さらにわかればどこの部位にあったかを医師に伝えるよにしてください。 大腸憩室症・大腸憩室炎の検査・診断法 多くの場合は検査で偶然発見されます。 注腸検査、大腸内視鏡検査、胃バリウム検査後の造影剤遺残などにより偶然発見されることが多く、発見頻度は10%前後で加齢とともに増加します。 憩室炎を起こしているときは、腹部CT検査や超音波検査で憩室の存在や憩室炎を診断できることもありますが、下部消化管の検査は治療によって症状がなくなってから、注腸造影検査や大腸内視鏡検査を行って診断を確定します。 大腸憩室症・大腸憩室炎の治療法 大腸憩室症は放置して特に問題となる病気ではありません。 たとえ憩室がたくさんできていても、症状がなければ治療は必要ありません。 合併症である憩室炎を起こした場合でも、通常は安静、抗生剤投与などの内科的治療で改善します。 また、大腸憩室からの出血も、多くは間欠的な出血で7~8 割が自然に止血します。 もし出血量が多い場合や、出血をくり返す場合には、大腸内視鏡による止血処置を行うこともあります。 また穿孔、腹膜炎、狭窄などを起こした場合や大出血で止血困難な場合は外科的治療が必要となります。 大腸憩室症・大腸憩室炎の予防法・再発予防法 大腸憩室症があっても、日常生活の特別な制限はありません。 ただ、比較的線維分の多い食事の摂取を心がけるとともに、便秘をしないよう便通のコントロールを行うことも大切です。 また、残念ながら、憩室炎の発生を予防する方法はありません。 ただ重症化しないための予防策はあります。 お腹が痛くなったらすぐに、炎症が軽いうちに、食事を止めて水分だけにして、早めに抗生物質を飲むことです。 ただし、これももともと大腸憩室があると分かっているときにできる対応ですので、予防のためにも一度は注腸検査もしくは大腸内視鏡検査をしておくほうがいいかもしれませんね。 大腸憩室症・大腸憩室炎と大腸がんの関係 なお、心配される方も多いのですが、大腸憩室が癌化することはありません。 しかし大腸憩室がある方は、大腸ポリープ、大腸癌が多いとは言われています。 これは、どちらの病気も大腸憩室の原因と共通する、線維不足が原因のひとつとなって起きるからです。 日ごろから食生活を工夫するなどして、腸の健康を守っていきましょう。

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