鳴る 神 の 少し 響 みて 降ら ず とも。 虹色のかざぐるま

万葉集その六百九十五 (雷神) : 万葉集遊楽

鳴る 神 の 少し 響 みて 降ら ず とも

私は、自然現象で何が一番嫌いかと聞かれれば「雷」と答えます。 この雷には、2つの「成分」があるのをご存知ですよね。 一つは音。 これを、雷(古くは「神鳴り」)と呼んでいます。 もう一つは、光。 これは、稲妻(もしくは稲光)と呼んでいます。 私は、音(雷)は平気なのですが、光(稲妻)がダメなのです。 あの青白い光を見るだけで、背筋がゾクゾクします。 自動車に乗っていると、雷が落ちても大丈夫といいます。 もし、自動車に乗車中に落雷しても、自動車のボディを伝って、電気は地面にアースされるのですね。 え? タイヤはゴムだから絶縁体だろうって? ごもっとも。 でも、タイヤって黒いですよね。 これ、カーボン(炭素)が含まれているからなんです。 ゴムを強化するために入れているんですが、これが電気を通すらしいんですね。 ちなみに、乾電池くらいの電圧じゃダメですよ。 雷の電圧を正確にかつ理論的に証明したデータは見当たらないそうですが、少なくとも 数百万ボルト以上、一説には数億ボルトともいわれています。 それくらいの電圧があれば、多少の絶縁体だってものともしませんよ。 よって、 長靴やゴムブーツも役に立ちません。 雷が近づいてきたら、外に出歩かずに早めに家に入るなどしたほうがよさそうですが、昔の人も同じようなことをしていたらしいですね。 万葉集にも、こんな男女のやり取りを見ることができます。 まず、女性が… 雷神 小動 刺雲 雨零耶 君将留 【鳴る神の、少し響 とよ みて、さし曇(くも)り、雨も降らぬか、君を留 とど めむ】 『雷が少し鳴って空も曇ってきて、雨でも降らないかしら。 だって、あなたをこのまま引きとめておきたいんですもの。 』 なんて意味の歌ですね。 この返事に、男の側はこんなしゃれた返事(返歌)を贈っています。 雷神 小動 雖不零 吾将留 妹留者 【鳴る神の、少し響 とよ みて、降らずとも、我 わ は留(とど)まらむ、妹 いも し留 とど めば】 『雷が少し鳴って雨が降るようなことがなくっても、僕はここにいるよ。 君が「いて欲しい」っていうならね。

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はっしーの独り言

鳴る 神 の 少し 響 みて 降ら ず とも

主な万葉歌200首 主な万葉歌200首 どの歌が万葉集を代表する作品と評価されているのだろうかと考え、主な万葉選集がどの歌を採録しているのか調べてみました。 その結果、得点の高かった歌200首を表にしてみました。 部立ごとに色分けしてあります。 用いた資料は以下の通りです。 ア 『万葉秀歌』(斎藤茂吉) 364首 イ 『万葉百歌』(山本健吉・池田弥三郎) 109首 ウ 『万葉集講義』(五味智英) 418首 エ 『犬養万葉かるた』(犬養孝) 100首 オ 『万葉の秀歌』(中西進) 252首 カ 『私の万葉集』(大岡信) 811首 キ 『万葉集』(日本の古典をよむ・小学館) 317首 ク 『日めくり万葉集』(NHK) のべ480首 資料ごとに採録歌数にかなりのばらつきがあるので、それを考慮し、得点は以下の計算式に依ることとしました。 最後に2570を掛けたのは、最高得点を100点にするためです。 67 雑歌 2 1 21 紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも 天武天皇 1 1 1 1 1 1 1 2 94. 67 雑歌 2 19 4291 我が宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも 大伴家持 1 1 1 1 1 1 1 2 94. 67 2 19 4292 うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しも独し思へば 大伴家持 1 1 1 1 1 1 1 2 94. 67 6 1 48 東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 1 2 91. 5 雑歌 6 1 64 葦辺行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ 志貴皇子 1 1 1 1 1 1 2 91. 5 雑歌 8 3 266 近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 1 1 1 89. 32 雑歌 8 6 924 み吉野の象山の際の木末にはここだも騒く鳥の声かも 山部赤人 1 1 1 1 1 1 1 1 89. 32 雑歌 8 6 925 ぬばたまの夜の更けゆけば久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く 山部赤人 1 1 1 1 1 1 1 1 89. 32 雑歌 8 8 1418 石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも 志貴皇子 1 1 1 1 1 1 1 1 89. 32 春雑歌 8 19 4290 春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影に鴬鳴くも 大伴家持 1 1 1 1 1 1 1 1 89. 32 13 3 318 田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける 山部赤人 1 1 1 1 1 1 5 85. 03 雑歌 14 2 105 我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我れ立ち濡れし 大伯皇女 1 1 1 1 1 1 2 84. 47 相聞 15 7 1088 あしひきの山川の瀬の鳴るなへに弓月が岳に雲立ち渡る 柿本人麻呂歌集 1 1 1 1 1 1 1 83. 17 雑歌 15 13 3249 磯城島の大和の国に人二人ありとし思はば何か嘆かむ 作者不明 1 1 1 1 1 1 1 83. 17 相聞 17 1 15 わたつみの豊旗雲に入り日差し今夜の月夜清く照りこそ 天智天皇 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 雑歌 17 1 18 三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや 額田王 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 雑歌 17 2 88 秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いつへの方に我が恋やまむ 磐姫皇后 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 相聞 17 2 133 笹の葉はみ山もさやにさやげども我れは妹思ふ別れ来ぬれば 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 相聞 17 4 593 君に恋ひ甚も術なみ平山の小松が下に立ち嘆くかも 笠女郎 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 相聞 17 8 1511 夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寐ねにけらしも 舒明天皇 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 秋雑歌 17 14 3459 稲つけばかかる我が手を今夜もか殿の若子が取りて嘆かむ 東歌(未勘国) 1 1 1 1 1 1 1 79. 12 相聞 24 2 95 我はもや安見児得たり皆人の得かてにすといふ安見児得たり 藤原鎌足 1 1 1 1 1 1 72. 97 相聞 25 4 488 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く 額田王 1 1 1 1 1 1 2 71. 09 相聞 25 8 1424 春の野にすみれ採みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にける 山部赤人 1 1 1 1 1 1 2 71. 09 春雑歌 25 19 4139 春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子 大伴家持 1 1 1 1 1 1 2 71. 09 28 3 375 吉野なる菜摘の川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山蔭にして 湯原王 1 1 1 1 1 70. 59 雑歌 29 1 28 春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山 持統天皇 1 1 1 1 1 1 2 68. 97 雑歌 29 3 416 百伝ふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ 大津皇子 1 1 1 1 1 1 2 68. 97 挽歌 31 5 803 銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも 山上憶良 1 1 1 1 1 2 67. 92 雑歌 32 10 1812 ひさかたの天の香具山この夕霞たなびく春立つらしも 柿本人麻呂歌集 1 1 1 1 1 67. 61 春雑歌 33 1 82 うらさぶる心さまねしひさかたの天のしぐれの流らふ見れば 長田王 1 1 1 2 67. 05 雑歌 34 11 2642 燈火の影にかがよふうつせみの妹が笑まひし面影に見ゆ 作者不明 1 1 1 1 66. 54 相聞 35 3 338 験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし 大伴旅人 1 1 1 1 1 1 1 65. 74 雑歌 35 5 793 世間は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり 大伴旅人 1 1 1 1 1 1 1 65. 74 雑歌 35 6 919 若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る 山部赤人 1 1 1 1 1 1 1 65. 74 雑歌 35 15 3724 君が行く道のながてを繰り畳ね焼きほろぼさむ天の火もがも 狭野弟上娘子 1 1 1 1 1 1 1 65. 74 39 6 978 士やも空しくあるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして 山上憶良 1 1 1 1 1 2 64. 94 雑歌 39 20 4516 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事 大伴家持 1 1 1 1 1 2 64. 94 41 6 1042 一つ松幾代か経ぬる吹く風の声の清きは年深みかも 市原王 1 1 1 1 1 63. 95 雑歌 42 3 270 旅にしてもの恋しきに山下の赤のそほ船沖を漕ぐ見ゆ 高市黒人 1 1 1 1 1 1 1 63. 62 雑歌 43 9 1791 旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群 遣唐使の母 1 1 1 1 1 2 62. 82 相聞 44 1 4 たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野 中皇命 1 1 1 1 1 1 62. 57 雑歌 45 1 1 籠もよ み籠持ち ふくしもよ みぶくし持ち この岡に 菜摘ます児 家告らせ 名告らさね そらみつ 大和の国は 押しなべて 我こそ居れ しきなべて 我こそ居れ 我にこそは 告らめ 家をも名をも 雄略天皇 1 1 1 1 3 61. 12 雑歌 46 3 328 あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり 小野老 1 1 1 1 3 60. 1 雑歌 47 8 1500 夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ 大伴坂上郎女 1 1 1 1 1 1 58. 68 夏相聞 48 8 1435 蝦鳴く神名火川に影見えて今か咲くらむ山吹の花 厚見王 1 1 1 1 1 1 58. 26 春雑歌 48 8 1639 沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも 大伴旅人 1 1 1 1 1 1 58. 26 冬雑歌 50 15 3624 我のみや夜舟は漕ぐと思へれば沖辺の方に梶の音すなり 遣新羅使人 1 1 1 1 57. 8 51 2 106 ふたり行けど行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ 大伯皇女 1 1 1 1 1 1 55. 54 相聞 51 2 107 あしひきの山のしづくに妹待つとわれ立ち濡れぬ山のしづくに 大津皇子 1 1 1 1 1 1 55. 54 相聞 51 2 116 人言を繁み言痛み己が世に未だ渡らぬ朝川渡る 但馬皇女 1 1 1 1 1 1 55. 54 相聞 51 2 142 家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る 有間皇子 1 1 1 1 1 1 55. 54 挽歌 51 3 254 燈火の明石大門に入らむ日や漕ぎ別れなむ家のあたり見ず 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 1 55. 54 雑歌 51 3 271 桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る 高市黒人 1 1 1 1 1 1 55. 54 雑歌 51 19 4143 もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花 大伴家持 1 1 1 1 1 1 55. 54 58 3 316 昔見し象の小川を今見ればいよよさやけくなりにけるかも 大伴旅人 1 1 1 55. 43 雑歌 59 1 49 日並の皇子の命の馬並めてみ狩り立たしし時は来向ふ 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 55. 09 雑歌 60 4 489 風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ 鏡王女 1 1 1 1 2 53. 83 相聞 61 2 141 岩代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまた帰り見む 有間皇子 1 1 1 1 1 1 53. 42 挽歌 61 3 337 憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむぞ 山上憶良 1 1 1 1 1 1 53. 42 雑歌 63 7 1068 天の海に雲の波立ち月の舟星の林に漕ぎ隠る見ゆ 柿本人麻呂歌集 1 1 1 3 53. 04 雑歌 64 2 165 うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む 大伯皇女 1 1 1 1 2 52. 62 挽歌 65 11 2578 朝寝髪我は梳らじうるはしき君が手枕触れてしものを 作者不明 1 1 1 1 1 52. 53 相聞 66 1 58 いづくにか船泊てすらむ安礼の崎漕ぎ廻み行きし棚無し小舟 高市黒人 1 1 1 1 1 52. 37 雑歌 67 16 3840 寺々の女餓鬼申さく大神の男餓鬼賜りてその子産まはむ 池田朝臣 1 1 1 1 1 52. 28 68 9 1808 勝鹿の真間の井見れば立ち平し水汲ましけむ手児名し思ほゆ 高橋虫麻呂 1 1 1 1 1 51. 2 挽歌 69 15 3580 君が行く海辺の宿に霧立たば吾が立ち嘆く息と知りませ 遣新羅使人の縁者 1 1 1 1 1 50. 57 70 1 32 古の人に我れあれや楽浪の古き都を見れば悲しき 高市黒人 1 1 1 1 1 50. 25 雑歌 71 1 30 楽浪の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 50. 18 雑歌 72 3 325 明日香河川淀さらず立つ霧の思ひ過ぐべき恋にあらなくに 山部赤人 1 1 1 1 50. 15 雑歌 73 3 264 もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波の行くへ知らずも 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 49. 39 雑歌 73 20 4425 防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ物思ひもせず 昔年防人妻 1 1 1 1 1 49. 39 75 14 3439 鈴が音の早馬駅家の堤井の水を給へな妹が直手よ 東歌(未勘国) 1 1 1 1 48. 94 雑歌 76 3 251 淡路の野島が崎の浜風に妹が結びし紐吹き返す 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 48. 48 雑歌 76 4 527 来むといふも来ぬ時あるを来じといふを来むとは待たじ来じといふものを 大伴坂上郎女 1 1 1 1 1 48. 48 相聞 76 14 3373 多摩川に曝す手作さらさらに何そこの児のここだ愛しき 東歌(武蔵) 1 1 1 1 1 48. 48 相聞 79 4 661 恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽してよ長くと思はば 大伴坂上郎女 1 1 1 1 1 48. 45 相聞 80 3 265 苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野の渡りに家もあらなくに 長意吉麻呂 1 1 1 1 1 48. 06 雑歌 80 19 4141 春まけてもの悲しきにさ夜更けて羽振き鳴く鴫誰が田にか住む 大伴家持 1 1 1 1 1 48. 06 82 1 45 やすみしし 我が大君 高照らす 日の皇子 神ながら 神さびせすと 太敷かす 都を置きて 隠口の 初瀬の山は 真木立つ 荒き山道を 岩が根 禁樹押しなべ 坂鳥の 朝越えまして 玉限る 夕去り来れば み雪降る 安騎の大野に 旗すすき 小竹を押しなべ 草枕 旅宿りせす いにしへ思ひて 柿本人麻呂 1 1 1 1 48. 03 雑歌 83 12 3101 紫は灰さすものそ海石榴市の八十の衢に逢へる子や誰 作者不明 1 1 1 2 47. 65 相聞 84 4 608 相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼の後に額つくごとし 笠女郎 1 1 1 1 1 47. 27 相聞 84 14 3351 筑波嶺に雪かも降らるいなをかもかなしき児ろが布乾さるかも 東歌(常陸) 1 1 1 1 1 47. 27 雑歌 86 1 46 安騎の野に宿る旅人うち靡き寐も寝らめやもいにしへ思ふに 柿本人麻呂 1 1 1 1 46. 99 雑歌 87 3 344 あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む 大伴旅人 1 1 1 1 1 46. 36 雑歌 87 15 3774 わが背子が帰り来まさむ時の為命残さむ忘れたまふな 狭野弟上娘子 1 1 1 1 1 46. 36 87 19 4150 朝床に聞けば遥けし射水川朝漕ぎしつつ唄ふ舟人 大伴家持 1 1 1 1 1 46. 36 90 11 2368 たらちねの母が手放れ斯くばかり為方なき事はいまだ為なくに 柿本人麻呂歌集 1 1 1 1 46. 13 相聞 91 2 166 磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに 大伯皇女 1 1 1 1 1 2 45. 39 挽歌 91 2 208 秋山の黄葉を茂み迷ひぬる妹を求めむ山道知らずも 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 2 45. 39 挽歌 91 3 255 天離る夷の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 2 45. 39 雑歌 94 2 85 君が行き日長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ 磐姫皇后 1 1 1 1 45. 31 相聞 95 14 3546 青柳の萌らろ川門に汝を待つと清水は汲まず立ち処平すも 東歌(未勘国) 1 1 1 1 44. 42 相聞 96 8 1513 今朝の朝明雁が音聞きつ春日山もみちにけらし我が心痛し 穂積皇子 1 1 1 1 44. 26 秋雑歌 97 8 1419 神奈備の磐瀬の社の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋増さる 鏡王女 1 1 1 1 44. 1 春雑歌 98 1 22 川の上のゆつ岩群に草生さず常にもがもな常処女にて 吹黄刀自 1 1 1 1 44. 04 雑歌 98 6 909 山高み白木綿花におちたぎつ滝の河内は見れど飽かぬかも 笠金村 1 1 1 1 44. 04 雑歌 100 20 4483 移り行く時見るごとに心痛く昔の人し思ほゆるかも 大伴家持 1 1 1 2 43. 6 101 4 496 み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも 柿本人麻呂 1 1 1 1 43. 12 相聞 101 14 3400 信濃なる筑摩の川の細石も君し踏みてば玉と拾はむ 東歌(信濃) 1 1 1 1 43. 12 相聞 103 14 3404 上毛野安蘇の真麻群かき抱き寝れど飽かぬを何どか吾がせむ 東歌(上野) 1 1 1 1 2 42. 22 相聞 104 1 17 味酒 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山の際に い隠るまで 道の隈 い積もるまでに つばらにも 見つつ行かむを しばしばも 見放けむ山を 心なく 雲の 隠さふべしや 額田王 1 1 1 1 41 雑歌 105 2 92 秋山の木の下隠り行く水の我れこそ益さめ御思ひよりは 鏡王女 1 1 1 40. 87 相聞 106 8 1658 わが背子と二人見ませば幾許かこの降る雪の嬉しからまし 光明皇后 1 1 1 40. 84 冬相聞 107 2 203 降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに 穂積皇子 1 1 1 1 1 1 40. 04 挽歌 107 5 893 世間を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば 山上憶良 1 1 1 1 1 1 40. 04 雑歌 107 6 994 振り放けて三日月見れば一目見し人の眉引き思ほゆるかも 大伴家持 1 1 1 1 1 1 40. 04 雑歌 110 15 3723 あしひきの山路越えむとする君を心に持ちて安けくもなし 狭野弟上娘子 1 1 1 1 39. 96 110 9 1756 かき霧らし雨の降る夜を霍公鳥鳴きて行くなりあはれその鳥 高橋虫麻呂 1 1 1 39. 96 雑歌 112 1 47 ま草刈る荒野にはあれど黄葉の過ぎにし君が形見とぞ来し 柿本人麻呂 1 1 1 39. 92 雑歌 113 5 899 すべもなく苦しくあれば出で走り去ななと思へど子らに障りぬ 山上憶良 1 1 1 1 39. 16 雑歌 113 11 2353 長谷の 斎槻が下に 我が隠せる妻 あかねさし 照れる月夜に 人見てむかも 柿本人麻呂歌集 1 1 1 1 39. 16 相聞 113 13 3254 磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ 柿本人麻呂歌集 1 1 1 39. 16 相聞 116 3 242 滝の上の三船の山に居る雲の常にあらむと我が思はなくに 弓削皇子 1 1 1 38. 91 雑歌 117 20 4337 水鳥の立ちの急ぎに父母に物言はず来にて今ぞ悔しき 有度部牛麻呂/駿河防人 1 1 1 1 38. 25 118 4 670 月読の光に来ませあしひきの山きへなりて遠からなくに 湯原王 1 1 1 38. 11 相聞 118 4 709 夕闇は道たづたづし月待ちていませ我が背子その間にも見む 豊前国の娘子大宅女 1 1 1 38. 11 相聞 118 7 1263 暁と夜烏鳴けどこの山上の木末が上はいまだ静けし 作者不明(古歌集) 1 1 1 38. 11 雑歌 118 9 1714 落ち激ち流るる水の岩に触れ淀める淀に月の影見ゆ 作者不明 1 1 1 38. 11 雑歌 122 7 1257 道の辺の草深百合の花笑みに笑まししからに妻と言ふべしや 作者不明(古歌集) 1 1 1 36. 98 雑歌 123 12 3102 たらちねの母が呼ぶ名を申さめど道行く人を誰れと知りてか 作者不明 1 1 1 36. 95 125 1 51 采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く 志貴皇子 1 1 1 1 1 36. 87 雑歌 126 2 111 いにしへに恋ふる鳥かも弓絃葉の御井の上より鳴き渡り行く 弓削皇子 1 1 1 36. 79 相聞 127 3 275 いづくにか我が宿りせむ高島の勝野の原にこの日暮れなば 高市黒人 1 1 1 35. 99 雑歌 127 8 1431 百済野の萩の古枝に春待つと居りしうぐひす鳴きにけむかも 山部赤人 1 1 1 35. 99 春雑歌 129 1 43 わが背子は何処行くらむ奥つもの名張の山を今日か越ゆらむ 当麻麻呂の妻 1 1 1 35. 93 雑歌 129 11 2394 朝影にわが身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに 柿本人麻呂歌集 1 1 1 35. 93 相聞 129 11 2456 ぬばたまの黒髪山の山菅に小雨降りしきしくしく思ほゆ 柿本人麻呂歌集 1 1 1 35. 93 相聞 129 12 2916 玉かつま逢はむと言ふは誰れなるか逢へる時さへ面隠しする 作者不明 1 1 1 35. 93 相聞 129 20 4357 蘆垣の隈処に立ちて吾妹子が袖もしほほに泣きしそ思はゆ 刑部千国/上総防人 1 1 1 35. 93 129 20 4369 筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ 大舎人部千文/常陸防人 1 1 1 35. 93 135 2 103 わが里に大雪降れり大原の古りにし里に落らまくは後 天武天皇 1 1 1 1 2 35. 19 相聞 136 3 317 天地の 分れし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 布士の高嶺を 天の原 振り放け見れば 渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくそ 雪は降りける 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 不尽の高嶺は 山部赤人 1 1 1 2 35. 16 雑歌 137 3 296 廬原の清見の崎の三保の浦のゆたけき見つつ物思ひもなし 田口益人 1 1 1 35. 08 雑歌 138 14 3455 恋しけば来ませ我が背子垣つ柳末摘み枯らし我れ立ち待たむ 東歌(未勘国) 1 1 1 35. 02 相聞 139 3 274 我が舟は比良の港に漕ぎ泊てむ沖へな離りさ夜更けにけり 高市黒人 1 1 1 34. 85 雑歌 140 6 918 沖つ島荒礒の玉藻潮干満ちい隠りゆかば思ほえむかも 山部赤人 1 1 1 1 1 34. 68 雑歌 140 8 1552 夕月夜心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀鳴くも 湯原王 1 1 1 1 1 34. 68 秋雑歌 140 20 4468 うつせみは数なき身なり山川の清けき見つつ道を尋ねな 大伴家持 1 1 1 1 1 34. 68 143 15 3728 あをによし奈良の大路は行き良けどこの山道は行き悪しかりけり 中臣宅守 1 1 1 34. 22 144 2 195 敷栲の袖交へし君玉垂の越智野過ぎ行くまたも逢はめやも 柿本人麻呂 1 1 1 33. 81 挽歌 144 4 486 山の端にあぢ群騒き行くなれど我れは寂しゑ君にしあらねば 斉明天皇 1 1 1 33. 81 相聞 144 6 968 ますらをと思へる我れや水茎の水城の上に涙拭はむ 大伴旅人 1 1 1 33. 81 雑歌 144 7 1411 福のいかなる人か黒髪の白くなるまで妹が声を聞く 作者不明 1 1 1 33. 81 挽歌 148 4 651 ひさかたの天の露霜置きにけり家なる人も待ち恋ひぬらむ 大伴坂上郎女 1 1 33. 78 相聞 148 8 1615 大の浦のその長浜に寄する波ゆたけく君を思ふこのころ 聖武天皇 1 1 33. 78 秋相聞 148 12 3097 さ桧隈桧隈川に馬留め馬に水飼へ我れ外に見む 作者不明 1 1 33. 78 相聞 148 20 4344 忘らむて野行き山行き我れ来れど我が父母は忘れせのかも 商長首麻呂/駿河防人 1 1 33. 78 152 1 16 冬こもり 春さり来れば 鳴かずありし 鳥も来鳴きぬ 咲かずありし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし 秋山吾は 額田王 1 1 1 1 1 32. 98 雑歌 152 2 207 天飛ぶや 軽の路は 吾妹子が 里にしあれば ねもころに 見まく欲しけど 止まず行かば 人目を多み 数多く行かば 人知りぬべみ 狭根葛 後も逢はむと 大船の 思ひ憑みて 玉かぎる 磐垣淵の 隠りのみ 恋ひつつあるに 渡る日の 暮れ行くが如 照る月の 雲隠る如 沖つ藻の 靡きし妹は 黄葉の 過ぎて去にきと 玉梓の 使の言へば 梓弓 声に聞きて[一に云ふ、声のみ聞きて] 言はむ術 為むすべ知らに 声のみを 聞きてあり得ねば わが恋ふる 千重の一重も 慰むる 情もありやと 吾妹子が 止まず出で見し 軽の市に わが立ち聞けば 玉襷 畝火の山に 鳴く鳥の 声も聞こえず 玉桙の 道行く人も 一人だに 似てし行かねば すべをなみ 妹が名喚びて 袖そ振りつる 柿本人麻呂 1 1 1 1 1 32. 98 挽歌 152 4 594 我がやどの夕蔭草の白露の消ぬがにもとな思ほゆるかも 笠女郎 1 1 1 1 1 32. 98 相聞 152 5 892 風交り 雨降る夜の 雨交り 雪降る夜は すべもなく 寒くしあれば 堅塩を とりつづしろひ 糟湯酒 うちすすろひて しはぶかひ 鼻びしびしに しかとあらぬ ひげ掻き撫でて 我れをおきて 人はあらじと 誇ろへど 寒くしあれば 麻衾 引き被り 布肩衣 ありのことごと 着襲へども 寒き夜すらを 我れよりも 貧しき人の 父母は 飢ゑ凍ゆらむ 妻子どもは 乞ふ乞ふ泣くらむ この時は いかにしつつか 汝が世は渡る 天地は 広しといへど 我がためは 狭くやなりぬる 日月は 明しといへど 我がためは 照りやたまはぬ 人皆か 我のみやしかる わくらばに 人とはあるを 人並に 我れも作るを 綿もなき 布肩衣の 海松のごと わわけさがれる かかふのみ 肩にうち掛け 伏廬の 曲廬の内に 直土に 藁解き敷きて 父母は 枕の方に 妻子どもは 足の方に 囲み居て 憂へさまよひ かまどには 火気吹き立てず 甑には 蜘蛛の巣かきて 飯炊く ことも忘れて ぬえ鳥の のどよひ居るに いとのきて 短き物を 端切ると いへるがごとく しもと取る 里長が声は 寝屋処まで 来立ち呼ばひぬ かくばかり すべなきものか 世間の道 山上憶良 1 1 1 1 1 32. 98 雑歌 152 9 1740 春の日の 霞める時に 住吉の 岸に出で居て 釣舟の とをらふ見れば いにしへの ことぞ思ほゆる 水江の 浦島の子が 鰹釣り 鯛釣りほこり 七日まで 家にも来ずて 海境を 過ぎて漕ぎ行くに 海神の 神の娘子に たまさかに い漕ぎ向ひ 相とぶらひ 言成りしかば かき結び 常世に至り 海神の 神の宮の 内のへの 妙なる殿に たづさはり ふたり入り居て 老いもせず 死にもせずして 長き世に ありけるものを 世間の 愚か人の 我妹子に 告りて語らく しましくは 家に帰りて 父母に 事も告らひ 明日のごと 我れは来なむと 言ひければ 妹が言へらく 常世辺に また帰り来て 今のごと 逢はむとならば この櫛笥 開くなゆめと そこらくに 堅めし言を 住吉に 帰り来りて 家見れど 家も見かねて 里見れど 里も見かねて あやしみと そこに思はく 家ゆ出でて 三年の間に 垣もなく 家失せめやと この箱を 開きて見てば もとのごと 家はあらむと 玉櫛笥 少し開くに 白雲の 箱より出でて 常世辺に たなびきぬれば 立ち走り 叫び袖振り こいまろび 足ずりしつつ たちまちに 心消失せぬ 若くありし 肌も皺みぬ 黒くありし 髪も白けぬ ゆなゆなは 息さへ絶えて 後つひに 命死にける 水江の 浦島の子が 家ところ見ゆ 高橋虫麻呂 1 1 1 1 1 32. 98 雑歌 152 9 1807 鶏が鳴く 東の国に 古へに ありけることと 今までに 絶えず言ひける 勝鹿の 真間の手児名が 麻衣に 青衿着け ひたさ麻を 裳には織り着て 髪だにも 掻きは梳らず 沓をだに はかず行けども 錦綾の 中に包める 斎ひ子も 妹にしかめや 望月の 足れる面わに 花のごと 笑みて立てれば 夏虫の 火に入るがごと 港入りに 舟漕ぐごとく 行きかぐれ 人の言ふ時 いくばくも 生けらじものを 何すとか 身をたな知りて 波の音の 騒く港の 奥城に 妹が臥やせる 遠き代に ありけることを 昨日しも 見けむがごとも 思ほゆるかも 高橋虫麻呂 1 1 1 1 1 32. 98 挽歌 152 18 4094 葦原の 瑞穂の国を 天下り 知らしめしける すめろきの 神の命の 御代重ね 天の日継と 知らし来る 君の御代御代 敷きませる 四方の国には 山川を 広み厚みと 奉る 御調宝は 数へえず 尽くしもかねつ しかれども 我が大君の 諸人を 誘ひたまひ よきことを 始めたまひて 金かも たしけくあらむと 思ほして 下悩ますに 鶏が鳴く 東の国の 陸奥の 小田なる山に 黄金ありと 申したまへれ 御心を 明らめたまひ 天地の 神相うづなひ すめろきの 御霊助けて 遠き代に かかりしことを 我が御代に 顕はしてあれば 食す国は 栄えむものと 神ながら 思ほしめして もののふの 八十伴の緒を まつろへの 向けのまにまに 老人も 女童も しが願ふ 心足らひに 撫でたまひ 治めたまへば ここをしも あやに貴み 嬉しけく いよよ思ひて 大伴の 遠つ神祖の その名をば 大久米主と 負ひ持ちて 仕へし官 海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへり見は せじと言立て 大夫の 清きその名を いにしへよ 今のをつづに 流さへる 祖の子どもぞ 大伴と 佐伯の氏は 人の祖の 立つる言立て 人の子は 祖の名絶たず 大君に まつろふものと 言ひ継げる 言の官ぞ 梓弓 手に取り持ちて 剣大刀 腰に取り佩き 朝守り 夕の守りに 大君の 御門の守り 我れをおきて 人はあらじと いや立て 思ひし増さる 大君の 御言のさきの 聞けば貴み 大伴家持 1 1 1 1 1 32. 98 159 4 688 青山を横切る雲の著ろくわれと咲まして人に知らゆな 大伴坂上郎女 1 1 1 32. 9 相聞 159 15 3727 塵泥の数にもあらぬわれ故に思ひわぶらむ妹が悲しさ 中臣宅守 1 1 1 32. 9 159 20 4417 赤駒を山野に放し捕りかにて多摩の横山徒歩ゆか遣らむ 宇遅部黒女/武蔵防人妻 1 1 1 32. 9 162 7 1089 大海に島もあらなくに海原のたゆたふ波に立てる白雲 作者不明 1 1 32. 76 雑歌 162 7 1336 冬こもり春の大野を焼く人は焼き足らねかも我が心焼く 作者不明 1 1 32. 76 譬喩歌 164 5 880 天ざかる鄙に五年住まひつつ都のてぶり忘らえにけり 山上憶良 1 1 1 32. 1 雑歌 165 1 33 楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも 高市黒人 1 1 31. 85 雑歌 166 4 503 玉衣のさゐさゐしづみ家の妹に物言はず来にて思ひかねつも 柿本人麻呂 1 1 31. 69 相聞 166 12 2991 たらちねの母が飼ふ蚕の繭隠りいぶせくもあるか妹に逢はずして 作者不明 1 1 31. 69 相聞 168 1 54 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を 坂門人足 1 1 31. 05 雑歌 168 2 123 たけばぬれたかねば長き妹が髪このころ見ぬに掻き入れつらむか 三方沙弥 1 1 31. 05 相聞 168 3 310 東の市の植木の木垂るまで逢はず久しみうべ恋ひにけり 門部王 1 1 31. 05 雑歌 168 7 1102 大君の三笠の山の帯にせる細谷川の音のさやけさ 作者不明 1 1 31. 05 雑歌 172 1 7 秋の野のみ草刈り葺き宿れりし宇治の都の仮廬し思ほゆ 額田王 1 1 1 1 30. 72 雑歌 172 2 218 楽浪の志賀津の児らが罷り道の川瀬の道を見ればさぶしも 柿本人麻呂 1 1 1 1 30. 72 挽歌 174 8 1422 うち靡く春来るらし山の際の遠き木末の咲きゆく見れば 尾張連 1 1 30. 64 春雑歌 174 8 1454 波の上ゆ見ゆる小島の雲隠りあな息づかし相別れなば 笠金村 1 1 30. 64 春相聞 174 9 1709 御食向ふ南淵山の巌には降りしはだれか消え残りたる 柿本人麻呂歌集 1 1 30. 64 雑歌 174 14 3494 子持山若鶏冠木の黄葉つまで寝もと吾は思ふ汝は何どか思ふ 東歌(未勘国) 1 1 30. 84 相聞 178 2 147 天の原振り放け見れば大君の御寿は長く天足らしたり 倭大后 1 1 1 1 1 29. 84 挽歌 178 3 331 我が盛りまたをちめやもほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ 大伴旅人 1 1 1 1 1 29. 84 雑歌 178 14 3399 信濃道は今の墾道刈株に足踏ましなむ履着けわが背 東歌(信濃) 1 1 1 1 1 29. 84 相聞 182 1 2 大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島 大和の国は 舒明天皇 1 1 1 1 29. 81 雑歌 182 1 3 やすみしし 我が大君の 朝には 取り撫でたまひ 夕には い寄り立たしし み執らしの 梓の弓の 中弭の 音すなり 朝猟に 今立たすらし 夕猟に 今立たすらし み執らしの 梓の弓の 中弭の 音すなり 中皇命 1 1 1 1 29. 81 雑歌 182 5 802 瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安寐し寝なさぬ 山上憶良 1 1 1 1 29. 81 雑歌 182 8 1550 秋萩の散りの乱ひに呼びたてて鳴くなる鹿の声の遥けさ 湯原王 1 1 1 1 29. 81 秋雑歌 186 3 378 いにしへの古き堤は年深み池の渚に水草生ひにけり 山部赤人 1 1 29. 73 雑歌 186 8 1479 隠りのみ居ればいぶせみ慰むと出で立ち聞けば来鳴くひぐらし 大伴家持 1 1 29. 73 夏雑歌 186 14 3388 筑波嶺の嶺ろに霞居過ぎかてに息づく君を率寝て遣らさね 東歌(常陸) 1 1 29. 73 相聞 186 15 3704 黄葉の散らふ山辺ゆ漕ぐ船のにほひにめでて出でて来にけり 玉槻 1 1 29. 73 190 2 117 ますらをや片恋せむと嘆けども醜のますらをなほ恋ひにけり 舎人皇子 1 1 28. 93 相聞 190 11 2599 験なき恋をもするか夕されば人の手まきて寝らむ児故に 作者不明 1 1 28. 93 相聞 192 7 1201 大海の水底響み立つ波の寄らむと思へる礒のさやけさ 作者不明 1 1 28. 87 雑歌 192 13 3317 馬買はば妹歩行ならむよしゑやし石は履むとも吾は二人行かむ 作者不明 1 1 28. 87 問答 194 18 4086 油火の光りに見ゆる吾がかづらさ百合の花の笑まはしきかも 大伴家持 1 1 1 1 28. 76 194 18 4097 天皇の御代栄えむと東なる陸奥山に黄金花咲く 大伴家持 1 1 1 1 28. 76 196 5 798 妹が見し楝の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに 山上憶良 1 1 1 1 28. 54 雑歌 196 5 905 若ければ道行き知らじ賄はせむ黄泉の使負ひて通らせ 山上憶良 1 1 1 1 28. 54 雑歌 196 7 1269 巻向の山辺響みて行く水の水沫のごとし世の人我れは 柿本人麻呂歌集 1 1 1 1 28. 54 雑歌 199 3 348 この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我れはなりなむ 大伴旅人 1 1 1 2 28. 13 雑歌 199 3 349 生ける者遂にも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しくをあらな 大伴旅人 1 1 1 2 28. 13 雑歌.

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万葉集 巻十一 (1)

鳴る 神 の 少し 響 みて 降ら ず とも

靴職人を目指す高校生タカオは、雨が降ると学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。 そんなある日、タカオは謎めいた年上の女性ユキノと出会い、2人は雨の日だけの逢瀬を重ねて心を通わせていく。 居場所を見失ってしまったというユキノのために、タカオはもっと歩きたくなるような靴を作ろうとするが……。 「どこかで会ったことが」と言うタカオに対して、ユキノが残した言葉。 それは万葉集の中に書かれた柿本人麻呂の和歌でした。 日本に存在する最古の歌集と言われている「万葉集」。 奈良時代末期に作られたとされています。 100年以上の間に詠まれた和歌を集めたもので、天皇や貴族から名前の分からない人が詠んだ和歌まで4536首が納められていて、全巻20巻にもなります。 万葉集は「雑歌」「相聞歌」「挽歌」の3つのジャンルに分かれています。 ユキノがタカオに残した和歌は「相聞歌」にあたり、男女の恋愛を歌った歌でした。 柿本人麻呂 ユキノがタカオに残した和歌は柿本人麻呂の和歌でした。 「 鳴る 神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 雷が鳴って雲が広がり雨が降ってくれたら帰ろうとしているあなたをきっと引き止められるのにという歌です。 これを詠んだ柿本人麻呂は、飛鳥時代の歌人です。 「歌聖」と呼ばれただけあって、万葉集に中に長歌19首・短歌75首が載っています。 ユキノが残した短歌は万葉集の中の相聞歌に載っている和歌です。 柿本人麻呂は、恋しているけど恋に奥手な女性の心情をこの和歌で表現しています。 この歌には返しがあります。 それがラストの方でタカオがユキノに返した和歌です。 「 鳴る神の 少し響みて 降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば」 雷が鳴らなくても雨が降らなくても君が引き止めてくれたなら僕はここにいるよという意味になります。 「一緒にいたい」と言えない女性に対して、同じように女性に恋している男性が「ここにいるよ」優しく返した歌でした。 学校での出来事に傷つき心を病んでしまったユキノは、その心を癒してくれるタカオに対して「雨が降れば会えるのに」という思いを伝えたかったのかもしれません。 「古典の教師だと気がつくかなと思って」とユキノは言っていましたが、靴作りに没頭し自分の世界を生きているタカオに安心したのでしょう。 だからで会ったばかりのタカオに対してこの歌をユキノは伝えたのかもしれません。 そしてこの和歌の世界がユキノとタカオの関係の表現していました。 学びのポイント 『言の葉の庭』で描かれた世界は、万葉集の中に書かれた柿本人麻呂の和歌による歌で表現されていました。 男女の恋愛を歌った相聞歌。 柿本人麻呂が詠んだ和歌は、美しく純粋で綺麗な男女の想いでもありました。 その世界の美しさがそのままユキノとタカオの関係に繋がってもいます。 『言の葉の庭』を見ると、そんな美しい和歌の世界を感じることができます。 普段の生活でなかなか触れることのない、平安時代や奈良時代の男女の想いに触れることができ、またその想いはいつの時代も同じなんだと感じることができます。

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