艦 これ ss 嫌 われ。 #艦隊これくしょん #提督LOVE 嫌われ者になりたくて

【艦これ・赤城SS】翔鶴「嫌っ! 放して下さい!」

艦 これ ss 嫌 われ

ここはとある鎮守府の執務室。 広大な海を流れる波の音と青々とした空を飛んでいく海鳥たちの鳴き声が、静かな朝の執務室のBGMとなって流れてくる。 ここの鎮守府の提督は朝から黙々と執務をこなしている。 部屋には他に誰もおらず、提督は一人自分の仕事である書類にペンを走らせる作業を行っていた。 そんな時、コンコンという控えめなノック音。 少し遅れて、執務室へと一人の艦娘が提督の元へとやってきた。 「おはようございます、提督。 今日もいい朝ですね」 青い制服と帽子に身を包み、黒のショートカットとモデル顔負けのスタイルを持つ女性。 高雄型重巡洋艦1番艦『高雄』はにっこり微笑みながら、提督へと朝のあいさつを交わしてきた。 「ああ、おはよう高雄。 君も朝からきれいだね」 高雄の挨拶に笑顔で返事を返す提督。 その言葉に、高雄は思わず顔を赤くしてしまう。 「も、もう提督ったら…! 私をおだてても何も出ませんよ……!」 「あはは、失礼した。 今日の秘書艦は君が務めると聞いていたからね、一足先に執務室で待っていたんだよ」 「そうだったんですか。 すみません、先に提督にお仕事をさせることになってしまって……」 申し訳なさを感じ、高雄は提督に深々と頭を下げる。 だが、提督は『気にしないでくれ』と言わんばかりに首を振ると、すでに書き上げた書類を手に彼女のもとにやってきた。 「それじゃ、俺の代わりにこの書類を大本営の方に送ってもらえないか? 他の仕事はもう済んであるし、あとはこれだけなんだが……」 提督の言葉に、高雄は笑顔で「はいっ、喜んで!」と書類を受け取り、執務室を後にする。 鼻歌交じりに廊下を歩いていく彼女を見届けた提督は、ゆっくりと椅子に座り深い溜息を吐くと、 「…ふう、やっと行ったか」 「全く… あんな化け物と二人きりになるなんて、気が気でないってんだよ」 さっきの笑顔から一変、忌々しげに顔を歪める提督は天井を見上げながら、一人悪態をついていた。 男は艦娘が嫌いだった。 ある日突如として海から現れた異形の怪物、深海棲艦。 通常兵器が効かない深海棲艦と唯一戦える存在、それが艦娘だった。 だが、艦娘も人と同じ姿形をしながら、その実態は人類とは全く違う人ならざる存在。 そんな艦娘を男は気味悪がり、なるべく関わらないようにしようとしていた。 しかし艦娘を統括している海軍が、彼女たちを指揮する提督が足りないとの事で、代理役として男に白羽の矢が立ってしまった。 男は軍に関しては何の知識もない一般人だったのに、祖父が軍人だったという理由で無理やりここへ連れてこられてしまい、それ以来新しい提督が見つかるまでの間だけここで働くよう命令されたのである。 当然男は怒り、抗議したが、軍はこれ以上刃向かうなら君の将来が大変なことになるよ、と遠回しな脅迫をして男をこの鎮守府へと置いていった。 男としては、初めは艦娘たちに関わらずに済むよう自ら嫌われ者になるように振る舞おうと考えたが、そのために下手なブラック鎮守府まがいの事をすれば嫌われるどころか彼女たちの怒りを買うことになりかねない。 そうなれば自分の身がどうなるか分からない。 その結果、男は遠回しに艦娘たちを避け続ける方法をとることにしたのである。 朝の食堂では横長のテーブルに艦娘たちが揃って朝食をとっていた。 大勢の艦娘たちの食事と会話で盛り上がっている食堂だったが、そこに提督の姿はなかった。 提督はいつも食事を自室か執務室で食べるようにしていた。 艦娘たちが大勢いる食堂で食事なんて、考えるだけで恐ろしいからだ。 しかし…… 「司令はん、今日もウチ等と一緒に食堂来てくれへんかったなー…」 「きっと私たちのために頑張って仕事してくれてるのよ。 司令、朝から執務に精を出してたって、秘書艦の高雄さんが言ってたわ」 「なるほど… さすがは司令ですね、不知火たちも見習って今度ねぎらいに行かなくては」 と、艦娘たちからは良い意味で誤解されていた。 朝食を終え、提督は執務室を出て一人外を散歩している。 執務はすでに終わらせたが、下手に執務室にいれば秘書艦や他の艦娘たちと一緒になってしまう恐れがある。 彼にとってもそれは避けたかったので、今は他の艦娘に出会わないよう人気のない場所を歩いていたのであった。 「あっ、おはようございます、しれぇ!」 しかし、そんな時にも艦娘とは出くわしてしまう。 提督が声のした方を振り向くと、そこにはボール片手にこちらに駆け寄ってくる雪風たちの姿があった。 提督は顔をしかめたくなるのをこらえながら、雪風たちに笑顔を向けた。 「おう、おはよう雪風。 今日も元気がいいな」 「しれぇ、たまには食堂に来てください。 他の皆もしれぇが来てくれないって寂しがってました…」 「あ、ああ… すまない、行きたいのは山々なんだが書類作業以外でも提督としてやらねばならないことがあってな…」 「そうですか… それじゃ仕方ないですね」 雪風は肩を落としながらしょんぼりと落ち込む。 提督も申し訳ない気持ちがないと言えば嘘になるが、やはり人と同じ姿でも化け物は化け物。 提督はとても受け入れられなかった。 「ごめんな…」と言葉だけでも謝って、提督はその場を後にしようとしたが、雪風の隣にいた時津風が服の袖を引っ張って提督を引き止めた。 「そうだ。 しれぇ、時津風たちこれからキャッチボールするの。 せっかくだからしれぇも一緒にやろうよ」 「ちょっと、駄目よ時津風! 司令官は仕事を終えたばかりで疲れてるのよ」 「ええー!? ちょっとくらいいいじゃん、ねえしれぇいいでしょねえねえ?」 腕にしがみつきながら一緒に遊ぼうとせがむ時津風。 慌てて天津風が時津風にやめるよう窘めるが、提督は時津風にゆすられたまま笑顔で言った。 「構わないよ、天津風。 俺もちょうどデスクワークを終えたばかりで体を動かしたかったから」 その言葉に時津風だけでなく雪風もばんざいしながら喜び、天津風は戸惑いながらも二人に手を引かれていく提督の後を追っていった。 (受けるしかないだろ… こいつらも子供といえど艦娘、下手に断ればどうなるか分からないんだから…!!) そんな本音をひた隠しにしながら、提督は広場の方で雪風たちとのキャッチボールに付き合うのであった。 時刻はもうすぐ昼に差し掛かろうとする頃。 雪風たちと別れ、提督はまた一人あてもなく散歩する。 ただでさえ執務仕事で疲れていたのに、キャッチボールまでしたせいで余計に疲れがたまっている。 どこでもいいから一人静かに休めないか…? そう思いながら工廠の脇を通ろうとしたとき、 「あっ、提督!」 「…夕張か」 この艦隊の開発を担当している艦娘、夕張に呼び止められた。 本来は他の艦娘たちと同じように出撃している彼女だが、今は作業用ズボンに白のタンクトップというラフな格好になっていた。 先ほどまで開発を行っていたのか彼女の顔は油で汚れていたが、そんなことにかまわず夕張は提督に駆け寄り笑顔を見せる。 「この前は大量の資材の使用許可を出してくれてありがと。 おかげでいい装備がたくさんできたし、皆も提督にお礼が言いたいって言ってたわ」 「そうか… それはなによりだ」 喜々として話す夕張とは裏腹に、提督は引きつった笑みを浮かべていた。 実は夕張に大量の資材の使用許可を出したのは、資材を開発でどんどん溶かし艦隊を運用できなくして無能な提督だと艦娘たちに印象づける。 そして艦娘たちから嫌われ提督をクビになろうと思い許可したのだ。 だが夕張はそんな提督の計画を知らず、自分のためにここまでしてくれた提督に報いようといつも以上に頑張って開発をこなし、その結果強力な装備が大量にできたため、嫌われるどころかかえって艦娘たちからより好感を持たれてしまったのであった。 「もし提督も欲しいものがあれば私に言って。 ありがとうな」 (今は提督をクビになるきっかけがほしいんだよ…!!) そう叫びたい気持ちを抑えながら、提督は無難に夕張にお礼を言うとその場を立ち去ったのである。 午後の執務室。 そこでは昼食を終えた提督が一人執務にいそしんでいた。 秘書艦の高雄には資材備蓄の確認をしてほしいと適当な理由をつけ執務室から追い出していた。 もちろん艦娘と二人でいたくなかったというのが本当の理由だ。 「はあ… 一体いつまでこんなこと続ければいいんだ?」 誰にでもなくひとり不満を漏らす提督。 しばらくは執務作業で書類に記入する音だけが響いていたが、廊下から複数の足音が聞こえてきた。 その音に一瞬眉根をひそめたが、すぐに表情を変え執務を再開。 その直後扉が開き提督に声をかける者がいた。 「提督、第一艦隊が戻ったぞ。 中々に手ごわい相手だったが、どうにか勝つことができた」 第一艦隊旗艦を務める艦娘、長門を筆頭に大和や武蔵、大鳳たち第一艦隊所属の艦娘たちが次々に執務室に入ってくる。 皆、服はボロボロで体にはいたるところに生傷があったが、彼女たちは朗らかな笑顔を見せると提督に戦況報告を行った。 「……流石だな、長門。 レ級が出ると言われている海域なのに、全員無事に戻ってくるとは」 「なに、提督はいつも私たちを強敵が出るという海域に送り出してくれるから、その期待に応えたいだけさ」 自身を褒める提督の言葉に長門は胸を張り、大和も自分の胸に手を置きながら嬉しげに微笑んだ。 「それに、提督は私たち大和型も積極的に運用してくれますから、つい頑張ってしまうんです」 「他の鎮守府では、ここと違って資材が減るからと中々出撃させてもらえないからな。 そう思うと、ここへ来て本当に良かったと思うよ」 武蔵も素直に称賛の言葉を贈り、他の艦娘たちも口々に提督を褒めたたえていた。 そんな艦娘たちを見ながら… (クソッ、また戻ってきたのかよ…! 轟沈させるためにわざわざあんな過酷な海域に放り出したっていうのに、こいつら本当にしぶとい…!!) 本当は提督が長門や大和たちを出撃させるのは、強い敵がいる海域に放り込みうまく敵に沈めてもらい、艦娘を轟沈させてしまった責任をとるという形で提督をやめようという企みによるものからだった。 しかし、そんな彼の思惑とは裏腹に、長門たちは提督がこんな危険な海域に送り出すのは自分たちにそれだけ期待してるからなんだと勘違いし、その期待に応えるべくどんな強敵だろうと負けずに帰還してきたのだ。 「では提督、私たちは少し入渠してくるよ。 高速修復材を使うから、すぐに終わるさ」 「いや、今日はもう出撃の予定はないからゆっくり休むといい。 戦艦といえど、たまにはのんびりつかりたいだろ?」 「あ、ありがとうございます提督! それではお言葉に甘えて、失礼します」 そう言って、長門たちは執務室を後にしていった。 足音が遠ざかり、彼女たちがいなくなったことを確認した提督は、 「…そうしたほうが、しばらくお前らの顔を見なくて済むんだよ!」 もうそこにはいない長門たちに悪態をつくのであった。 時刻は夜。 艦娘たちも皆寮へと戻り、提督は深い深い溜息を吐きながら今日も一日無事に過ごせたことにほっとしながら、机に突っ伏していた。 「くそ… こんなことがいつまで続くんだ? これじゃ、俺の身が持たないじゃないか…!」 彼がここへ来てからしばらく時間がたつが、大本営の方からは未だ連絡がなく、嫌がおうににも関わりたくない艦娘たちの相手をし、提督業をつづけなくてはならない始末。 正直、提督は極度のストレスで心身ともに限界に達していた。 提督は驚きつつも、受話器を取り電話に応じる。 「はいっ、提督ですが… ああ、大本営の方が何の用でしょうか?」 「……えっ、本当ですか!? 来週にはこちらに来ると…… はいっ、分かりました! お願いします」 提督は受話器を置くと、夜中にもかかわらずもろ手を挙げて大声で喜びだした。 「やったー! ようやく新しい提督がここへ来る。 ついにこんな場所とおさらば出来るんだ、ばんざーい!!」 大本営からかかってきた電話。 それはここへ新しく着任する提督が出たとのことで、彼にはその日をもって提督を解任するとの通達だった。 彼にとってはこれ以上ないほどの吉報に、まるで子供のようにはしゃぎまわる提督。 その声は夜の廊下にまでかすかに響いており、 「…青葉、聞いちゃいました………」 報告書を提出しに来た青葉の耳に届いていた。 その時の青葉は能面のような無表情に、黒くよどんだ眼をしたまま呆然としていた。 新しい提督がやってくるこの日、提督は笑顔で鎮守府の入り口に立っていた。 ようやく新しい提督が来て、自分が解放されるかと思うと今から心が躍る。 約束の時刻に差し掛かったころ、一台の車が提督の待っている鎮守府の入り口の前で止まり、中から海軍の大将が下りてきた。 「やあ、久しぶりだね。 突然とはいえ、君に提督を任せてしまって済まなかった」 「いえ、自分も微力ながら力になれたのなら嬉しいです」 相手は上官とはいえ、自分をこんな目に合わせた原因の一人。 正直文句の一つも言いたいのだが、今はその気持ちを抑え提督はさっそく大将へと本題を切り出した。 「あの… それで新しい提督はどちらに…?」 彼は周囲を見回すが、車から降りてきたのは大将一人だけ。 他にそれらしい人物の姿が見当たらない。 どういうことかと首をかしげていると、 「いや、君には本当に申し訳ないことをした。 まさか、君がここまで艦娘たちを大事に思っていたなんて…」 「…えっ?」 まるで意味が分からない、といった表情を浮かべる提督。 そんな提督を意に介さず、大将は話を続ける。 「実は君に新しい提督が来ると告げた次の日に、君の鎮守府の艦娘たちが私の元へ押しかけてきてね。 君が彼女たちのためにどれだけ尽くしている熱心に聞かされたんだ。 君は出撃や開発だけでなく、日ごろの業務まで負担をかけまいと頑張っていたそうじゃないか」 「えっ、いや!? それは…その…!?」 「それで、艦娘たちはこれからも君をここの提督にしてほしいと頼んできて、私もここまで艦娘を大事にする男を解任するのは心苦しくてね。 それで、今回の件については白紙にしようと思い、今日はそのことを直接話しに来たんだ」 「ま、待ってください! そんな突然言われても…!? それに、あれは艦娘が好きでやってたわけじゃ……!!」 「提督……」 提督が大将を引き止めようとしたとき、ふと自分を呼ぶ声が後ろから聞こえてくる。 振り返ると、そこにはこの鎮守府に所属する艦娘たちが自分を見つめていた。 「青葉さんから聞きましたよ。 なんでも、大本営の人が新しい提督をここヘ寄越すとか…」 「ひどい話ですよね。 提督が一生懸命榛名達を支えてくれているというのに、他の人が入ったら提督が出ていかなきゃいけませんもの。 だから、榛名たちが代わりに断っておきました」 「心配しないで。 それを見た提督は頭の中で何かがはじけ飛んだ。 「ふ…ざ…けるな……!!」 わなわなと拳を震わせ、艦娘たちを睨み付ける。 もう、我慢の限界だった… 「誰がそんな事をしろと言った!? ようやくここをやめられると思っていたのにお前らのせいで台無しになったじゃないか、どうしてくれるんだ!?」 「このさいはっきり言わせてもらうがな、俺はお前ら艦娘が大嫌いなんだよ!! お前らのような人の形をした化け物となんて一分一秒でもいたくない!! 俺は提督をやめたいんだ、分かったらもう俺に関わるな!!」 溜まりに溜まった本音をぶちまけた提督は、「ぜい… ぜい…」と息を切らせながら艦娘たちに目線を向ける。 言いたいことは言ってやった。 これで嫌われたのなら願ったりだ。 そう思いながら提督は急いで先ほど去っていった大将を追おうとする。 正直に訳を話してどうにか解任の件を取り付けてもらうためだ。 だが、提督の本音を聞いた艦娘たちは、 「…もう、提督は冗談がうまいですね」 「ほんとほんと。 あの提督さんがそんなこと言うわけないもんね」 怒るどころか、みんな一斉に彼の本音を冗談だろうと笑いながら否定してきた。 その異様な光景に、提督は怒りより若干の恐怖を感じていた。 「な、何言ってんだお前ら…!? 俺は本当にお前らが嫌い……」 「…提督、少し疲れているんですね。 早く戻って休みましょう、大事な提督の身に何かあったら、榛名は大丈夫じゃありません」 そう言って、艦娘たちは提督を連れ戻そうと取り囲んでくる。 提督は必死になって艦娘たちを振りほどこうと抵抗するが、艦娘たちの数が多すぎて抑え込まれてしまう。 「よ、よせ…! 来るな!」 艦娘たちに抵抗しようとしたとき、提督は艦娘たちの顔を見て気づいた。 皆の目が黒く染まり、正気ではなくなっていることに… そして気づいてしまった。 彼女たちが自分という存在に依存するあまり、正気を失ってしまったということに… 結局、抵抗もむなしく提督は取り抑えられ、艦娘たちの手によって再び鎮守府へと連れ戻されてしまったのである。 「ただいま司令官! さっき遠征から帰ってきたけど、ちゃんといい子にしてた?」 「………」 「提督、ここらで少し休憩にしましょうか。 私、お茶を入れてきます」 「………」 「提督、艦隊戻ったぞ。 今回も敵艦隊が手強かったが、こうして全員無事に帰投することができた。 これも提督がいてくれたからだな」 「………」 鎮守府の執務室。 そこでは一人の提督に親し気に話しかける艦娘たちの姿があった。 あれ以来、提督はこの鎮守府から出ることなく日々を過ごしていた。 初めは脱走を試みようとしたが、艦娘たちの厳重な監視からは逃れられず捕まり連れ戻されていた。 その後、提督には秘書艦という名の見張りがつき、常に複数の艦娘たちが彼の傍にいることで逃げられないようにしてしまった。 食事や執務中はもちろん、寝るときやトイレに行く時まで彼女たちが監視を緩めることはなかった。 ただでさえ嫌いな艦娘に厳重に監視され、提督は日を追うごとに心身共に摩耗し、今は廃人同然の状態になっている。 艦娘たちの言葉に何も答えず、提督は壊れた人形のように「…おれは……お前らが……嫌い……」と拒絶の言葉を繰り返していた。 だが、彼女たちはそれでも構わなかった。 大好きな提督が傍にいてくれればいい。 彼に依存しきってしまった艦娘たちにとっては、その事実が重要だった。 虚ろな目をしながら椅子に腰かける提督に、傍らにいた大和はそっと囁きかける。 「…提督、今は私たちのことが嫌いでも構いません」 「…でも、大丈夫。 時間はたっぷりあるんです」 「…私たちが貴方のことを好きになったように、いつか貴方も私たちのことを好きになるようにしてみせますからね」 「…だから、どうかこれからも私たちの傍にいてください。 提督……」 他の艦娘と同じ、黒く濁った瞳に最愛の人を映し出しながら、大和は提督の顔を覗き込むのであった。

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提督「手当たり次第に艦娘に嫌いって言ってみる」

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~1日目~ 提督「ごちそうさま。 いつも通りおいしいディナーだったよ。 」 大和「良かったです。 今日はもう執務も終了していますし、少し休まれますか?」 提督「そうしたい所だけど、書類をチェックするかな。 たしか、大本営からの荷物と指令書があったはずだけど。 」 大和「あの小包ですか。 分かりました。 持ってきますね。 」 俺は提督。 一応ここの泊地を預かっている。 規模が大きくなってきたので最近は多忙気味だが、ケッコンカッコカリをした大和や、他の多くの艦娘が支えてくれているおかげで何とかやっていけている。 大和「提督、持ってきました、どうぞ。 大和はちょっとおかたづけしてきますね。 」 提督「ありがとう大和。 書類に目を通したら、お互いちょっと休もう。 よって、大本営としては薬剤を配布することによってこれに対処することとした。 これを服用し、疲労回復、士気向上を図ることを厳命する。 ~発 大本営 ~ 提督「なるほどねえ、中身はドリンク剤か。 最近疲れ気味だったし早速飲むか。 」 カチッ…ゴクゴク 提督「う~ん。 苦いような、酸っぱいような、辛いような…不思議な味だな、これ。 」 ポイッ…ガタン ごみはきちんと捨てておく。 大和に怒られるからな。 提督「さて、残りの書類は…おっ、次回作戦の概要書か。 これは見ておかないといけないな。 」 …チッチッチッカチッ ポッポー! 提督「…おっと。 つい集中しすぎてしまった。 もうこんな時間か。 大和の様子でも見に行くか。 」 私室から出て見ると、執務室の明かりがついている。 きっと大和が使っているのだろう。 そう思ってドアに手をかけたその時、中から涙声が聞こえてきた。 大和「もう限界なんですっ!武蔵には分からないんですよ!あいつなんかと一緒にいないといけない辛さが!」 武蔵「まあ、私が着任した時にはケッコンカッコカリさせられていたからな。 もう少し早く着任できていればよかったんだが…クソッ!」 大和「この後だって…一緒に休憩しようって言われてて…なんで私ばっかりこんな目に合わないといけないのかしら…グスッ」 武蔵「安心しろ、大和。 何かあったときはすぐ助けに行くさ。 」 大和「絶対だからね、武蔵!お願いよ!」 …嘘だろ…大和がそんな風に思っていたなんて…いや、いい機会かもしれない。 俺は大和の悲しむ顔なんて見たくないんだ。 本気で嫌がられているならきちんと対処しなければ… 意を決して、ドアを開ける。 大和「提督。 」 大和が声をかけてくる。 嫌な相手に笑顔を見せるなんてつらいだろうに。 提督「…重要な書類があってな。 時間がかかってしまってすまなかった。 」 大和「いえ…お仕事お疲れさまでした。 では少しお休みしましょうか。 」 そう言われて、自分は泣きそうになった。 大和はストレスを発散せずにため込んでしまうタイプだ。 知っていたはずなのに、なんで気づいてやれなかったのだろう。 そんな悔しさからくる涙だった。 大和「提督…?どうかなさいましたか?」 提督「いや…何でもない。 」 武蔵「…何だ、提督よ。 」 提督「少し来てくれないか。 話しておきたいことがあるんだ。 」 武蔵「分かった。 」 大和「提督。 戻っていらっしゃったら、今度はお休みしましょうね。 提督は最近お疲れのようですし。 紅茶を淹れますのでリラックスしましょう。 」 提督「ありがとう、大和。 分かったよ、すぐ戻るから。 」 今度こそ限界だった。 自分は泣きながら執務室を出た。 武蔵「…提督よ。 どうしたのだ?どこか痛い場所でもあるのか?」 提督「いや…痛い場所は特にない。 」 武蔵「それならいいが…何かあったら相談しろよ。 お前に何かあったら大和に殺される。 私の姉は怖いからな。 ハハハ!特に貴様のこととなると見境がなくなって困る!」 提督「(俺は、俺自身の手で自分を殺してしまいたい。 大和にあんなに無理をさせていたなんて。 )」 武蔵「何か言ったか?よく聞こえなかったが。 」 提督「いや、何でもない。 ところで最近、大和が無理をしているように見えてな。 」 武蔵「そうか?普通だろう?特に変わった様子はないが。 」 提督「いや、大和はため込むタイプだからな。 俺に対して不平不満を言えていえず、ストレスをためているかもしれない。 」 武蔵「提督よ、馬鹿にしているのか?大和が貴様に不満なんぞ抱いているはずないだろう。 」 提督「とにかく、大和の相談に乗ってやってくれ。 内容を報告してくれれば善処するから。 頼んだぞ。 」 俺はそう言うと、執務室に戻った。 執務室で大和とお茶したが、無理している大和を思うと申し訳なく思い、早めに切り上げて寝ることにした。 大和…今まで気づいてやれなくてすまなかったな。 ~2日目~ 大和「…さっさと起きてくださいよ。 まったく。 」 提督「…うん。 おはよう、大和。 」 大和「おはようございます。 ご飯できてますから、さっさと食べてください。 」 提督「ありがとう。 ところで大和、その口調は?」 大和「もう我慢することは止めたんです。 武蔵から聞きました。 やっと気づいてくださったんですね。 」 …大和、やっぱりか。 嘘だと信じたかったが、現実は受け止めないとな。 大和「もう敬語なんて使う必要もないですね。 おい、クズ。 さっさと食えって言ったでしょう。 ろくに仕事できないんだから、少しは他の時間削って仕事にあててください!」 提督「…」 そうだ、せめて仕事をしなければ。 これ以上、大和や他の艦娘に迷惑はかけられないし。 そう思って仕事に打ち込むと、意外と集中して仕事に打ち込めた。 こんな時でも大和はきちんと料理を作って出してくれた。 いい艦娘と巡り会えたものだとこれほど感じたことはない。 ただ、あれが大和の素なのだとすると、将来がちょっと心配だ。 俺が提督を辞めても、新しい提督とうまくやっていってくれるだろうか?うまくいってほしいものだ。 ~3日目~ 大和「起きろよ、ゴミ。 」 提督「…」 大和「今日は医者に診てもらいますから。 クズがゴミだとちゃんと証明されないと、艦娘からクズを辞めさせられないんですよ。 理不尽ですよねぇ。 こっちはいつ轟沈させられたり、解体されるか分からない恐怖の中で毎日を生きてるのに。 あァ!何とか言ってみたらどうですか、ゴミ!」 提督「…」 大和「本当に不愉快だわ…大体、ケッコンカッコカリだって、なんでこっちから断れない仕様なのよ!こんなゴミにプロポーズされて嫌じゃない奴なんていないでしょwww」 提督「…」 大和「まあいいや。 提督じゃなくなれば、カッコカリは取り消されるみたいだし。 汚点は一生残り続けるから、そこだけは我慢しなきゃいけないわね。 クソがっ!」 提督「…」 大和「せめて他の奴ともすりゃいいのに、私としかケッコンカッコカリしないから、私だけが目立つじゃない!あァ!どうしてくれるの!?ゴミ!!」 提督「…なあ、大和。 」 大和「うわwwwしゃべれたんだwwwキモいから声出さないでよwww」 提督「俺の退役で、何とかならないか?」 大和「ゴミはこれだから…お前は辞めることは決まってるの!そのうえで私は嘆いているの!分かる!?」 提督「…じゃあ、俺の命で償えないか?」 大和「…ゴミごときの命でこの大和様に償いができるとでも思ってるの?まあ、死んでくれればうれしいことには違いけどね!」 提督「…そうか。 喜んでくれるなら、せめて最後くらいは…」 最後くらいは、大和を喜ばせて、笑顔を見たい…そう思ったとき、俺は自然とベット横の棚を開け、中からUSPを取り出し、頭に銃口を向けようとしていた。 大和「うわwww頭を真っ先に狙うとかwww痛みを耐える気概すらないのねwww」 大和はそう言って、USPを奪おうとしてくる。 たしかにそうだ。 俺も腐っても軍人の端くれ。 せめて腹あたりににぶち込んで即死はしないようにしよう。 そう考え、俺は無理やりUSPを下に向け、体を下に滑り込ませて引き金を引いた。 バンッ!!! 大和「…………!!………!!!」 大和が何かを叫んでいる。 よく聞き取れないが、なぜそんなに悲しそうな顔をしているのだろう?俺はただ、最後に…君の笑顔が…見たかった……だけなのに……… 薄れゆく意識の中で最後に俺が考えていたのは、ただそんなことだった。 しかし、心配な点があります。 提督が泣いていたんです。 武蔵と話をするために廊下に出るとき、確かに泣いていらっしゃいました。 お茶の時もずっと沈んだ顔をなさっていて、その後すぐお休みになってしまいました。 それと、武蔵が「提督の様子がおかしい、大和のことを心配していたようだが。 」と伝えてくれました。 大和、心配です。 突然口調がおかしいと言われましたし、(これに関しては、提督が心配で昨日あまり寝られなかったせいで本当におかしかった可能性があります。 )慌ててどこかおかしいところがあったか聞いても無言で執務室に行かれてしまいますし。 ご飯の時もずっと陰鬱とされていて、大和が話しかけてもずっと上の空でした。 お仕事はいつも以上になさっていたのですが、様子がおかしいので、大和がお休みなさるように言っても聞いてくださりませんでした。 武蔵に相談したところ、「あの様子は尋常ではない。 すぐに軍医を呼んで診察してもらおう。 何かあってから後悔しても遅いからな。 」と言われました。 大和もそう思ったので軍医さんに連絡を取ったところ、今日は緊急の案件があるので行けないが、明日の朝一で行くとのことでした。 これで一安心ですが、提督が心配なので、今日はこれから提督のお側で番をしようと思います。 何かあったら…嫌ですからね。 提督は一命をとりとめた。 原因は解明中。 軍医によると、何らかの薬による一時的な精神異常が疑われるとのこと。 軍医によると、起きても通常は問題がないのだが、精神異常により自傷行為等を行う危険性があるので眠らせているとのこと。 原因はゴミ箱の中にあったドリンク剤らしい。 あれには大本営からの指令書が付属していたはずなので、直ちに大本営と連絡をとったところ、「そのような薬剤を配布したという記録はない。 至急調査を行うので、しばし待て。 」とのこと。 元が船なのでいい漁礁になれるだろう。 本当に艦娘の名折れだ。 本当に良かったです。 その上、提督から「少しでも大和を疑ってしまってすまなかった。 これからもずっと側にいてほしい。 もちろん、離れたかったら言ってくれ。 」と言っていただけました。 最後の一言は余計ですが、大和の心配をしてくださるそのお気持ちはうれしかったので、少し頭をなでていただいたかわりに許しました。 これで、一件落着です! これからも、ずっと提督の、あなたの側で、大和は頑張ります。 だから提督、大和から離れちゃイヤデスヨ…。 提督が側にいナイこトを考えルダけデも…ジブンヲ…オサエラレナクナリソウダカラ………。 ~某所~ ??「くそっ!こんなに早くばれるとはな!もう少しで実験結果の詳細データを手にいれられたのに!」 武蔵「ほう…そいつは残念だったな。 」 ??「だっ、誰だ!そこにいるのは!?」 武蔵「すまんな。 私はまだ、命が惜しいんだ。 」 ??「ガッ!………」 武蔵「せめて苦しまないようにしてやった。 」 ??「………」 武蔵「ふむ。 私の姉は怖いからな。 ハハハ…提督のこととなると見境がなくなるから、な。 」 ~END~.

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嫌われ提督とウォースパイト

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09 ID:ymAQoNL70 昼時、工廠にて…… 妖精「試作品で1つしかないでしが、良ければお使いください」 妖精「では私はこれで」 瑞鶴「どうするの、コレ……」 メガーネ 加賀「とりあえず私が預かっておきます。 試作品ということなので使用して何が起きるか分からないので。 別に提督が私にどれだけの好意を持っているのかが知りたい訳ではなくあくまで皆さんが使う前に私が危険が無いか確かめるだけであって決して変な理由があるわけではないですので、では」ダッ 金剛「ちょっとマテ」ガシッ 加賀「な、何ですか? 肩の手を離してください」ギロ 金剛「独り占めはずるいネー! 最初は戦艦のワタシが使うデス!」 加賀「チッ」 翔鶴「お二人共落ち着いて下さい。 vip2ch. vip2ch. 50 ID:ymAQoNL70 長門「皆で順番に使えば良いんじゃないのか? 順番なんて早いか遅いかの違いじゃないか。 70 ID:ymAQoNL70 今更あれで凄く言いにくいんだけど……艦娘って何人いてどんな話し方なのか殆ど分からないんだけど、口調とか違ったら気にする? 一応調べてから書くつもりだけど ・・; ついでに最初のレスで書けなかったから全部書く。 ・投稿スペースまったりです。 29 ID:ymAQoNL70 結果。 加賀「雪風……!!」ギリギリ 雪風「ひぅっ」 翔鶴「加賀さん、八つ当たりはダメですよ?」ニコニコ 2 翔鶴 36 加賀 加賀「くっ……!」 夕立「くじ引きって後の方が有利っぽい! 最初で当たる確率は低いっぽい! 最初に引く人達は捨て駒っぽい?」 千代「あっ!」 夕張「あちゃぁー……」 加賀「ぷっ……あら? ごめんなさい、捨て駒さん。 77 ID:ymAQoNL70 とりあえずここまでです。 見てくれた人ありがとう。 08 ID:mnepNzgr0 加賀「では次ですね……次が本番……」ブツブツ 翔鶴「大丈夫よ私、私はできる子……」ブツブツ 金剛「私が必ず最初デース……私が……」ブツブツ 足柄「くじ引きでくじを引く順番を決めるなんて、人が多いから大変ね」 瑞鶴「あの3人は他に比べて特に気合入り過ぎてる感じもするけど……」 足柄「提督の知らないとこでこんな事に」 瑞鶴「まさか本人も自分のことでこんなになるとは思ってないでしょうね」 足柄「あっ、始まるみたいね。 85 ID:mnepNzgr0 加賀「では私は行ってきますね」チラ 金剛翔鶴「……?」 加賀 ニタァ 金剛翔鶴「」プルプル 夕張「最大数値が100だっけ? どれくらいあるんだろうね」 瑞鶴「あの提督でしょ? 20くらいじゃないの?」 夕張「あー……たまに優しいけどね。 本当に極々稀にだけど。 下手すると10もいかないんじゃない?」 瑞鶴「ありえる……」 金剛「あんな性悪女は0以下デス」 翔鶴「ふふ、私以外は皆さん0ですよ」ニコニコ 夕張「勝者が居なくなった途端に……」 瑞鶴「サラッと全員に飛び火したよね」 夕張「もし高かった時の結果が怖い。 81 ID:mnepNzgr0 執務室 コンコン 「失礼します」 提督「……加賀か、何の用だ? 今日の秘書艦は夕張のはずだが?」 加賀「(こちらを見向きもしませんか……まぁいつも通りですが)いえ、何か手伝う事はないかと思いまして」メガネスチャ 提督「無い」 加賀「そうですか」ジィッ 提督「……用が無いなら早く出て行け」 加賀「(数値は……)っ!?!?!?」ガタッ 提督「……? 何を……お前眼鏡なんて掛けてたのか」 加賀「え? あっ、はい。 最近私達の間で流行ってるそうなので」アセアセ 提督「そうか。 86 ID:mnepNzgr0 そうなのか、ありがとう。 56 ID:mnepNzgr0 北上「あっ、戻って来た」 大井「……」 天龍「死人……?」 翔鶴「どうでした? 低かったんですか? 大丈夫ですよ、大井さんには北上さんがいます。 17 ID:mnepNzgr0 数分前執務室 カチャ スッ 提督「……」カキカキ 提督「……」カキカキ 提督「……」カキカキ 提督「……ふぅ、ん、あ゛ー」コシノバシ 大井「……」 提督「っひぉ……!? 22 ID:mnepNzgr0 天龍「次は俺か……」ドキドキ 龍田「あらあら、悪い結果でも落ち込んじゃダメよ?」 天龍「そういうこと言うな! 不安になるだろうが!」 龍田「不安、ね〜」ニヤニヤ 天龍「〜〜〜ッ! もう行く!」 龍田「頑張ってね〜」 執務室 ドンドン 天龍「入るぞ」 提督「なぜお前達は返事を待たずに入ってくるんだ」カキカキ 天龍「へいへい、気を付けるって」 提督「で、何しに来たんだ? さっきから変わり変わりで」カキカキ 天龍「いや、何か手伝うことはないか? 天龍様が手伝ってやるよ!」 提督「無い。 どうだった?」 天龍「いや、それはまぁ、後で……」 龍田「だーめ。 反映に時間掛かるのか…… 赤城「か、加賀、さん?」 加賀「……」カオマッカ 瑞鶴「あれは最初にまず恥ずしさが来てるパターンだ……」 榛名「正直さっきのテンションは榛名も引きました……ザマァみろですね」 瑞鶴「え?」 龍田「あら〜? 天龍ちゃんこんなに高かったの? 良かったじゃない」 天龍「龍田、いまは、今言うのは……」チラ 加賀「な、何で? 私は提督が好き、だから提督も私が好き。

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